
監督は大好きな「わすれな歌 」のペンエーグ・ラッタナルアーン監督、撮影は王家衛(ウォン・カーウァイ)映画でお馴染みのクリストファー・ドイルといういかにもオサレ映画な組み合わせだ。
ペンエーグ監督といえば「6ixtynin9」が有名である。6号室のドアのプレートがひっくり返って9号室と間違えるというトリックを発明したからだ。ちょうど昨日観た「アタック・ナンバー・ハーフ2」でもそのパロディがあったし、思い起こせばスピルバーグの「マイノリティ・リポート」でも見かける事となった
インタビューによると監督は、今までの作品よりもベタな笑いを排除した作りにしているという。おかげでミニマルな映画に仕上がってはいるが、随所にくすりと笑える仕掛けがちりばめられており、それなりに楽しめる。
例えばケンジ(浅野忠信)の勤める図書館が69階にあったり、映画監督の三池崇史が自前のパンチパーマでやくざ役で登場したり、しかもその衣装が竹内力のブランド「RIKI TAKEUCHI」だったりと、オシャレな映像にVシネマキャラを相殺させた様な映画であった。タイ映画を観た後は決まってタイ料理が食べたくなる俺だが、この映画からはそんなタイの香りがしてこなかった。